相談だけの日々に迷いを感じていた頃
年中の春ごろ、2ヶ月に一度の相談を続けていましたが、
「このまま相談だけでいいのだろうか?」という迷いがありました。
思い切って先生にそのことを話すと、言語検査を追加でしてみましょうということになり、
結果を待つことになりました。
「このままでいいのかな…」と悩みながら過ごしていた、ちょうどその頃のことです。
電車の中での偶然の出会い
ある日、息子と乗った電車で、隣に座っていた女性の方と自然におしゃべりをする流れになりました。
息子の発達について悩んでいること、子供発達相談センターに通っているけれど
半年以上相談だけで療育が始められていないこと、
さらに、相談自体をやめることも提案されて戸惑っていることを話しました。
するとその方が、
「うちの子も発達障害があって、今は小2で療育を受けているんです」
と教えてくれたのです。
そして、こう言ってくれました。
「このままだと小学校に上がってから問題が出て、そこから療育を始めることになるかもしれないよ。療育は早いほどいいの。
そして特性を親がきちんと理解して、周りに伝えられるようになることが大事。
子供発達相談センターには、療育をしたい気持ちをはっきり伝えた方がいいよ。
子供を守れるのはママだからね。」
まるで雷に打たれたような気持ちでした。
それまで私は、どこかで「先生たちが判断してくれるだろう」と思い、人任せにしていました。
園から「今日はこんなことがありました」と聞いても、ただ謝るだけ。
けれど、この出会いをきっかけに、「親として動かないと」 という気持ちに変わりました。
療育をしたいと伝える
次の発達相談の時、勇気を出して先生に伝えました。
「息子のために、療育を始めたいと思っています。」
ちょうどその時、言語検査の結果が出て、「1歳3ヶ月の遅れがある」ことが分かりました。
その結果も後押しとなり、言語聴覚士さんと月1回の療育が始まることになりました。
それまで「相談だけ」で何も進まなかった日々から、
ようやく「動き出せた」と感じた瞬間でした。
民間の療育もスタート
さらに、これまで先生に療育のことを相談すると
「どんなことに苦手さがあるかをまずは見極めるのが先決だ」と言われていたものの、
K式の結果が年齢相応だったため、結局療育の話は進んでいませんでしたが、
改めてお願いしてみると、
「ご家庭で施設を決めて、療育手帳を申請して療育をスタートして大丈夫です。」
とのこと。
通っていた保育園の系列に療育施設があったため、そちらにお願いし、
週1回・1対1の民間療育も始めることができました。
療育をしたいと伝えたタイミングが、
ちょうど言語検査の結果が出た時期だったことも、
背中を押してもらえた理由のひとつかもしれません。
今振り返って思うこと
あの時、もし電車であの方と出会っていなかったら、
きっと私は「相談だけ」を続けていたと思います。
誰かに「動いたほうがいい」と言ってもらえたことで、
ようやく自分の足で動く勇気を持てました。
あの日の出会いが、私の意識を大きく変えました。
そして、自閉スペクトラム症である息子がこれから少しでも過ごしやすくなるよう、
環境を整えていく覚悟が芽生えた瞬間でもありました。

