電池が切れるまで泣き続けた息子の寝かしつけ地獄

小さい頃の記憶

今回は、息子とのこれまでの歩みの中でも、特につらかった“寝かしつけ”について書きたいと思います。
あの頃の自分が、少しでもラクになれるように——そんな思いを込めて綴ります。

子どもを寝かしつけるのに、2〜3時間もかかるなんて、想像していませんでした。
しかも、その間ずっとギャン泣きが続く毎日。

抱っこしても、ドライブしても、静かな音楽を流しても、どんな手段も効かない。

夜になるたび、「また今日も始まる…」と、息が詰まる思いでした。

“夜が来るのが怖い”――それが本音でした

息子の寝ぐずりは、生後1ヶ月の頃から始まっていました。
当時は「赤ちゃんってこんなものなのかな」と思っていたけれど、
抱っこしても、揺らしても、何をしてもまったく泣き止まない時間が、毎日ありました。

そして1歳を過ぎた頃からは、夜の寝かしつけに毎晩2時間半〜3時間かかるようになり、
保育園でお昼寝し過ぎて(最大2時間45分)リズムが崩れると、0時や1時になっても寝ない日も。

私は、
「体調が悪くても」
「早く寝たい夜でも」
どんな日も泣き叫ぶ息子をなんとか寝かせる毎日で、
気の休まる夜はありませんでした。

“こんなはずじゃなかった”という混乱

正直に言うと、あまりの過酷さに心がついていきませんでした。

出産前に聞いていたのは、
「すやすや眠る赤ちゃん」
「寝顔に癒される毎日」
そんな、穏やかな育児の話ばかりだったから。

でも、現実は全くちがっていた。

「なんでこんなに泣くの…?」
「私の抱っこ、間違ってるのかな」
「どうしてこの子は寝られないんだろう」

そんなふうに、自分を責める思考が止まらなくなっていきました。

耳栓とイヤーマフで“夜の戦闘態勢”へ

息子は日中はスッと眠ることもあるのに、夜だけは本当にダメでした。
どれだけ抱っこしても、何をしても、泣き止まない。

私は耳栓をし、その上からイヤーマフをつけて、
「今日も耐えきれるだろうか」と毎晩身構えていたのを覚えています。

体力も気力も限界なのに、
「今日こそは早く寝てくれるかも」と一縷の希望にすがっては打ち砕かれる日々。

「夜が来るのが怖い」――これは誇張ではなく、私の正直な気持ちでした。

“寝るのが下手なだけ”と診断されて

生後8か月頃、当時日本に1つしかなかった小児睡眠外来を受診しました。
出産直後に無呼吸発作があったこともあり、
毎晩つけていた心拍と酸素濃度の記録を持参して、診察を受けました。

でも、医師の言葉はあっさりしたものでした。

「特に心拍や酸素濃度に異常はありませんし、寝るのが下手なだけです。つらければ漢方を出しますよ。」

そのときの私たちは、
「自分の都合で薬を使うのはよくないのでは」
と悩み、結局、薬に頼らない道を選びました。

そして、また2時間半〜3時間の寝かしつけに耐える日々に戻っていったのです。

でも今なら、あのときの自分にこう言いたい

「そんなに無理しないで。あなたは、もう十分頑張ってたよ。」

今は、体内にもともとある成分をベースにした副作用の少ない薬などもあるそうです。薬に頼ることは、“ラクをする”ことではなく、“自分を守る手段”の一つなのかなと今は思います。

初めての育児で、「どこまで頑張った方がいいのか」「何が正解なのか」がまったく分からず、
結果として、子どものためにと思って選んだ道が、自分たちを追い詰めてしまった部分もあったなと当時を思い返すと感じます。

もし、当時の私がもう少し余裕を持てていたら、
泣き続ける息子に、無理やり作った笑顔じゃなく、
もっと心からのやさしさで接することができたかもしれない――
そんなふうにも思うのです。

アドバイスが、まるで意味をなさない世界

「本を読んで横になれば寝るよ」
「赤ちゃんってそういう時期があるから」

そんな、定型発達の子向けのアドバイスをたくさん受けました。

でも、私が伝えたかったのは、
「横に寝ることすらできない夜がある」という、まったく別の現実。

それを理解してもらえなかったことが、
さらに私の孤独感を深めていきました。

だからこそ、今まさに辛いあなたへ

この子の寝かしつけが、どうしても上手くいかない。
毎晩、何時間も泣き続けて、自分ももう限界…。

そんな、苦しみと混乱の真っただ中にいる方がもしこの記事を読んでくれていたらその方へ。

あなたは悪くない。
あなたの子どもも、悪くない。

この子が「寝るのが苦手」なだけなんです。

だから、どうか——

あなた自身を守ってください。
苦しみを、誰かに届けてください。
「無理しない」が選べる日を、諦めないでください。

そして“終わりのある地獄”だということを、どうか忘れないでください。

我が家の場合、この寝かしつけ地獄は2歳2ヶ月まで続きました。
長く、苦しいトンネルでしたが、ある日を境に、少しずつ自然と落ち着いていきました。

だからどうか、今は「生きのびる」だけでいい。
それだけで、もう十分すぎるほど、頑張ってるんです。

心から、そう思います。

昔の私へ言ってあげたかったことを綴りました。

タイトルとURLをコピーしました